現代俳句協会

 

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秋山白(あきやまはく)兎投(ととう)句集(くしゅう)

 俳句を始めて16年が経過した。

平成14年10月からは現代俳句協会が運営するインターネット俳句会へも投句を開始した。

インターネット俳句会へは毎月、五句づつ投句しているが、ここには披講に残った句だけを掲載している。

(平成14年)

菊薫る母が柩の釘打ちし        平成1410月(第19回)

妻につく嘘の可笑しき十三夜      平成1410月(第19回)

秋うららむすびのおかか食ひこぼす   平成1411月(第20回)

日雇の見目好き寡婦も頬かむり     平成1412月(第21回)

訥々と雪の嵩云ふ羽後訛り       平成1412月(第21回)

冬涛の砕けて岬また尖る        平成1412月(第21回)

鶴嘴に石跳ね返る冬はじめ       平成1412月(第21回)

棕櫚を剥ぐ梯子に祖父の墨書あり    平成1412月(第21回)

(平成15年)

ふところに抱いて時雨の煙草吸ふ    平成1501月(第22回)

弗の字の番線に載せ目刺焼く      平成1502月(第23回)

宵越しの鍋におでんが不貞腐る     平成1502月(第23回)

啓蟄や息深く継ぐ地搗き唄       平成1503月(第24回)

よろず屋に売れぬ目刺が反り返る    平成1504月(第25回)

蜃気楼見えぬ魚津に飲み明かす     平成1504月(第25回)

能弁の婆音頭とる茶摘唄        平成1504月(第25回)

サイダーの泡やるせなき別れかな    平成1505月(第26回)

陸墨の糸を惑わす麦嵐         平成1505月(第26回)

日雇に子宝多し蝮酒          平成1505月(第26回)

たまゆらの月下美人の花惜しむ     平成1506月(第27回)

緑陰の車座に湧く英知あり       平成1506月(第27回)

白玉や旅を半ばの人と逢ふ       平成1506月(第27回)

天金の鈍き聖書を曝しけり       平成1507月(第28回)

へぼ胡瓜細る家計に歪みあり      平成1507月(第28回)

泡盛や恋の島唄ひとくさり       平成1508月(第29回)

日雇の花園広し真葛原         平成1508月(第29回)

勝鬨も吐息も蔦の甲子園        平成1508月(第29回)

流さねば泪が重し鰯雲         平成1510月(第31回)

ぼた山に筑豊の月かげりなし      平成1511月(第32回)

おでん串揮い第九を合唱す       平成1512月(第33回)

(平成16年)

熱燗や身の上ばなし脚色す       平成1601月(第34回)

人づての己が世評や凩す        平成1601月(第34回)

はしご酒鰤大根に巡りあふ       平成1602月(第35回)

古地図の赤きシベリア雁帰る      平成1603月(第36回)

峡谷の夜風匂わせ炭を焼く       平成1603月(第36回)

商談を潰し三月棒に振る        平成1603月(第36回)

春うらら犬に宛名の葉書着く      平成1604月(第37回)

活断層走るあたりの山笑ふ       平成1604月(第37回)

春暁の雀に聴かすヴィヴァルディ    平成1604月(第37回)

蕗炊いて三千世界匂はしむ       平成1605月(第38回)

ごきぶりも竦む女の啖呵かな      平成1605月(第38回)

葛きりや母が遺愛の江戸切子      平成1605月(第38回)

泡盛や琉歌短く恋を叙す        平成1606月(第39回)

五月闇魑魅魍魎が息殺す        平成1606月(第39

冷麦の紅き一縷を吉としぬ       平成1606月(第39回)

髪洗い女仏性あらわにす        平成1606月(第39回)

蝮酒効いて毒舌回りだす        平成1607月(第40回)

帰省子の寝惚けまなこに安堵あり    平成1607月(第40回)

英霊の骨無き墓を洗ひけり       平成1607月(第40回)

割箸の卒塔婆つたなし蜻蛉居士     平成1607月(第40回)

陶枕の猫が惰眠を唆す         平成1608月(第41回)

鯤と云ふ大魚を見たり鱗雲       平成1609月(第42回)

金木犀雨後の築地の闇匂ふ       平成1610月(第43回)

消炭の恋の落書き艶めける       平成1611月(第44回)

凩の娑婆を逃れる縄のれん       平成1611月(第44回)

風説と枯葉渦巻く吹き溜まり      平成1611月(第44回)

義理恩義雁字搦みの歳暮ハム      平成1612月(第45回)

寄り添ふて生きむと思ふ寒昴      平成1612月(第45回)

(平成17年)

寒紅をさして女の意地通す       平成1701月(第46回)

鬱々と犬の冬毛を梳る         平成1701月(第46回)

居酒屋を出て凩の塵と化す       平成1702月(第47回)

春の馬遠き眼をして嘶けり       平成1702月(第47回)

ふるさとは海に開けてよなぐもり    平成1703月(第48回)

通ひ猫夜のしじまに鈴鳴らす      平成1704月(第49回)

紫木蓮人に表裏のあるごとし      平成1704月(第49

緑陰へ睡魔手招く荒むしろ       平成1705月(第50回)

羅のうしろ姿に夜の匂ひ        平成1706月(第51回)

遠雷に慄く犬を諭しけり        平成1707月(第52回)

倹約の家訓が凍る冷蔵庫        平成1707月(第52回)

七夕や爺に任せよ観世縒り       平成1707月(第52回)

氏素性糺せば怪し兜虫         平成1708月(第53回)

福耳が茄子の鴫焼き心得る       平成1708月(第53回)

旅果ての夜は青すだち滴らす      平成1709月(第54回)

片口に酒を剰さず牧水忌        平成1709月(第54回)

野仏の石の瞼に秋の蜂         平成1710月(第55回)

我が町の空半分を鰯雲         平成1710月(第55回)

木犀の黄金の散華いさぎよし      平成1710月(第55回)

大楠に木霊宿さず神無月        平成1711月(第56回)

波兎跳びはね沖は冬がすみ       平成1711月(第56回)

おしおきの物置いまも隙間風      平成1712月(第57回)

縁側の猫もしぐれを聴きゐたり     平成1712月(第57回)

水洟や男の沽券ぶら下がる       平成1712月(第57回)

餅配る妻が身寄りも老ひにけり     平成1712月(第57回)

朝市や女だてらの股火鉢        平成1712月(第57回)

(平成18年)

帰る家の無いふるさと風花す      平成1801月(第58回)

幼さを眉目に残し卒業す        平成1802月(第59回)

芳しき葉をいかがせむさくら餅     平成1802月(第59回)

コンビニの灯に安堵する雪の町     平成1802月(第59回)

朝市の道に白梅こぼれをり       平成1802月(第59回)

焼け跡に汚れ女雛の雨ざらし      平成1803月(第60回)

鳴き砂の足跡を消す涅槃西風      平成1803月(第60回)

鶯笛吹いて二荒の山おこす       平成1804月(第61回)

富士霞む日なり窓際族となる      平成1804月(第61回)

ぼた餅やふるさとの墓遥拝す      平成1804月(第61回)

麦笛や仲間はずれの児が鳴らす     平成1805月(第62回)

そそくさと蟻は螺髪を越えゆけり    平成1805月(第62回)

梔子の匂へば無垢と云ひ難し      平成1806月(第63回)

宿六と呼ばれて久し梅雨籠り      平成1807月(第64回)

吉野家の牛で乗り切る土用かな     平成1807月(第64回)

鶴嘴を提げて九字切る油照り      平成1808月(第65回)

ぬばたまの夜風がよどむ稲の花     平成1808月(第65回)

炎天の短き影が杭を打つ        平成1808月(第65回)

異次元の嬌声を聴くきのこ狩り     平成1809月(第66回)

鬱憤の幾つ弾ける鳳仙花        平成1809月(第66回)

シャンソンにひたる落葉のカフェテラス           平成1810月(第67回)

身のうちを夜半の虫の音透けとおる   平成1810月(第67回)

幾年も風船かずら植えて待つ      平成1810月(第67回)

狐火や我が魂魄のありどころ      平成1812月(第69回)

(平成19年)

寒鮒の魚信も絶えて沼暮れる      平成1901月(第70回)

暴落の牡蠣は寡黙に剥かれけり     平成1901月(第70回)

雑炊や形あるものみな崩れ       平成1902月(第71回)

古雛の泪と見たり頬の染み       平成1903月(第72回)

子を生さず土竜威しの風車       平成1903月(第72回)

蛭料理承りし万愚節          平成1904月(第73回)

ポルトガルギターが嘆く信長忌     平成1905月(第74回)

マヌカンが胸を突き出す五月かな    平成1905月(第74回)

たこ焼のおかかがすねる道頓忌     平成1905月(第74回)

泡盛や島辣韮は浅漬かり        平成1906月(第75回)

父の日や父無きごとく子は育つ     平成1906月(第75回)

海匂ふ港小路の夏つばめ        平成1907月(第76回)

望郷の祭囃子を口ずさむ        平成1907月(第76回)

泡に噎せ旅のラムネに涙ぐむ      平成1907月(第76回)

青竹の肌に艶ある夏料理        平成1908月(第77回)

丁子屋の藁屋根古び広重忌       平成1909月(第78回)

鯊舟を舫ふ引佐の澪つくし       平成1910月(第79回)

風そばへ金ゑのころの禾光る      平成1910月(第79回)

葛の花咲くや涙の捨てどころ      平成1911月(第80回)

悪童にもどり毒茸蹴っ飛ばす      平成1911月(第80回)

寒鯉の木の葉もろとも沈みをり     平成1912月(第81回)

憂国忌悲しみなくば人老いず      平成1912月(第81回)

空っ風上州女情深し          平成1912月(第81回)

(平成20年)

蕗味噌をなめてなめらかよされ節    平成2001月(第82回)

セーターの毛玉がほどの恋ごころ    平成2001月(第82回)

尻取りにつなぐ言葉も春めきぬ     平成2002月(第83回)

朝礼の一分講話春めけり        平成2002月(第83回)

古雛の直衣の襟を正しけり       平成2003月(第84回)

春キャベツ剥いても秘密暴けない    平成2003月(第84回)

真砂女忌の人は銀座を流れけり     平成2003月(第84回)

たんぽぽの花に男の愚痴こぼす     平成2003月(第84回)

薄情な女の乳首蛇いちご        平成2005月(第86回)

花ざくろ質屋の裏戸ぎいと開く     平成2005月(第86回)

垂乳根の母の日母の爪を切る      平成2005月(第86回)

薔薇の香に浸りこころの棘を抜く    平成2006月(第87回)

身の置き場なき故郷は蝉しぐれ     平成2007月(第88回)

八月の後姿に戦後あり         平成2007月(第88回)

炎昼に来て片減りの靴を脱ぐ      平成2007月(第88回)

白玉や旨い話に乗せられる       平成2007月(第88回)

(平成22年)

もぐさ屋の艾一字の夏のれん      平成2205月(第110回)

飯ごとの童女が千切る棕櫚の花     平成2205月(第110回)

八十路婆茶山に唄ふ九十九夜      平成2205月(第110回)

花あふち土方飯場の棟低し       平成2206月(第111回)

海鳴りの届く瓜畑瓜熟るゝ       平成2207月(第112回)

半袖を着て老斑の腕曝す        平成2208月(第113回)

日報へ白露と記す恙なし        平成2209月(第114回)

人恋し金木犀の匂ふとき        平成2209月(第114回)

ぬた場まで来て猪狩りの犬放つ     平成2210月(第115回)

白々と秋陽照るなり韮の花       平成2210月(第115回)

麦飯の咀嚼も忘れとろろ汁       平成2211月(第116回)

(平成23年)

頬刺しの潤目鰯に阿吽あり       平成2302月(第119回)

春一番襤褸のごとく吹かれけり     平成2302月(第119回)

母子草母亡き児らに名を告げず     平成2303月(第120回)

妻が病みぺんぺん草の花咲かす     平成2304月(第121回)

大人とて遊ぶのは好きしゃぼん玉    平成2304月(第121回)

子が銭を呉れる八十八夜かな      平成2305月(第122回)

まんぢゅうを買ふや身延の町薄暑    平成2305月(第122回)

山国は朴の葉に盛る夏料理       平成2306月(第123回)

居酒屋を出てごきぶりと道で遇ふ    平成2306月(第123回)

泡盛や島らっきょうの首長し      平成2307月(第124回)

ニューギニア未帰還兵の墓洗ふ     平成2308月(第125回)

秋刀魚焼き三千世界煙らせる      平成2309月(第126回)

南瓜煮る妻の鼻唄テレサ・テン     平成2310月(第127回)

麦とろや擂鉢囲み核家族        平成2310月(第127回)

他人の知恵借りるも英知神無月     平成2311月(第128回)

鱈ちりや人の情けに似て淡し      平成2311月(第128回)

おでん鍋使ひ古しの串も煮ゆ      平成2311月(第128回)

鉈割りの冬至南瓜を甘く煮よ      平成2312月(第129回)

(平成24年)

風花や近くて遠き故郷あり       平成2401月(第130回)

どんど焚き満願達磨滅却す       平成2402月(第131回)

震災の幼き流民卒園す         平成2403月(第132回)

口まめな婆の音頭や茶摘唄       平成2405月(第134回)

病みぬけばじゃがたら芋の花が咲く   平成2405月(第134回)

日雇が嘆く卯の花腐しかな       平成2406月(第135回)

札付きの与太も参じて夏祭り      平成2406月(第135回)

生き抜かむ土用鰻は食へぬとも     平成2407月(第136回)

熊蝉の恋は一途に鳴き徹す       平成2408月(第137回)

戒名を忘れた父母の墓洗う       平成2408月(第137回)

六方を踏んで良夜の橋渡る       平成2409月(第138回)

山ひとつ越ゆれば信濃いわし雲     平成2409月(第138回)

落鮎や伊豆に早瀬の川多し       平成2409月(第138回)

羽衣の松代替わり新松子        平成2410月(第139回)

艫綱に波のたゆとう十三夜       平成2410月(第139回)

かそけきは水琴窟か石蕗の花      平成2411月(第140回)

山の芋屁糞葛をもて括る        平成2411月(第140回)

熱燗や貧乏神と肩を組み        平成2412月(第141回)

凩や日に七便のバスを待つ       平成2412月(第141回)

米兵の悪行止まず開戦忌        平成2412月(第141回)

(平成25年)

猪鍋や狩の講釈とめどなし       平成2501月(第142回)

ニコライの蒼き聖堂風花す       平成2501月(第142回)

現代俳句協会・大畑等氏講評。

神田駿河台のニコライ堂を思いました。緑青のドームと「風花」、その景のなか天空にむかって息をしている作者も見える姿の良い一句と思います。

冬眠の蛇掘り当てし漢かな       平成2502月(第143回)

視力表ほどほどに見え春浅し      平成2502月(第143回)

古雛の待ち草臥れし貌に逢ふ      平成2502月(第143回)

経筒の緑青淡し山桜          平成2503月(第144回)

山ざくら炭焼小屋は朽ちにけり     平成2503月(第144回)

建売に幟はためき燕来る        平成2504月(第145回)

地境に疑義あるあたり蕗を抜く     平成2504月(第145回)

日雇にあぶれて雨の芒種かな      平成2506月(第147回)

水無月の連山雲を親しうす       平成2507月(第148回)

空蝉や祷りの姿して縋る        平成2508月(第149回)

新ごぼう笹掻き晒す水匂ふ       平成2508月(第149回)

鳴りたくて鳴らぬ風船葛かな      平成2510月(第151回)

石仏の御鼻欠けおり青みかん      平成2510月(第151回)

現代俳句協会・大畑等氏講評。

率直な書きっぷり。「御鼻」と書く作者に温かさを感じました。お供え物だったのでしょうか、「青みかん」が句の焦点を作っています。

宝蔵に薄墨の笛鵙猛る         平成2510月(第151回)

コスモスや男一途を疑わる       平成2511月(第152回)

川霧に溶けし鉄橋渡りけり       平成2511月(第152回)

(平成26年)

凍て滝や水の五訓を具現せり      平成2601月(第154回)

凍月や突貫工事成し遂げる       平成2601月(第154回)

立春の鉛筆の芯とがらせる       平成2602月(第155回)

寒卵溶いて一膳平らげる        平成2602月(第155回)

葱ぬたの葱が孕みし葱坊主       平成2603月(第156回)

刺し網を繕ふ埠頭風光る        平成2604月(第157回)

竹千代の学びし寺や椎若葉       平成2604月(第157回)

正拳の突き手鋭し青嵐         平成2605月(第158回)

日雇婦汗のうなじの後れ髪       平成2606月(第159回)

鶴嘴の柄も生業も梅雨湿り       平成2607月(第160回)

七夕やみなと銀座の店すたり      平成2607月(第160回)

米櫃を満たし八月十五日        平成2608月(第161

自堕落を愧じる葉月の爪白し      平成2608月(第161回)

日雇のひそかな奢り鰍酒        平成2609月(第162回)

流燈の一つは犬の名を記せり      平成2609月(第162回)

なりはひのニッカポッカやゐのこづち  平成2610月(第163回)

現代俳句協会・大畑等氏講評。

「ニッカポッカ」は建設現場で職人さんが穿いているだぼだぼのズボン。障害物をより早く感知するために、太ももの部分を広げていると聞きます。このズボンの「ゐのこづち」、作者は愛しい仲間のように感じたのかもしれません。上五の「なりはひの」が効いています。

酒がある青首大根煮てくれろ      平成2611月(第164回)

現代俳句協会・大畑等氏講評。

川端茅舎に「約束の寒の土筆を煮て下さい」がありますが、この句は「酒がある」と書いて、さらに直接的な表現となっています。「青首大根」の「青首」は土俗的に響いています。

猪鍋や長押に古ぶ村田銃        平成2611月(第164回)

数え日や降れば稼げぬ身を嘆く     平成2612月(第165回)

追い炊きに冬至の柚子の流れ初む    平成2612月(第165回)

居酒屋の釣り銭落とす社会鍋      平成2612月(第165回)

平成27年)

去年今年読み継ぐ日本植物誌      平成2701月(第166回)

工事場の煤け薬缶や目刺焼く      平成2703月(第168回)

病み臥してぺんぺん草を蔓延らす    平成2703月(第168回)

麗人の目鼻に花粉災ひす        平成2704月(第169回)

つべこべと云ふな桜はさくら色     平成2704月(第169回)

日雇の食へぬ卯の花腐しかな      平成2705月(第170回)

あばら家の軒にしがらむ灸花      平成2706月(第171回)

世渡りが下手で炎暑の石を抱く     平成2707月(第172回)

日雇の汗を妻子の糧となす       平成2708月(第173回)

すがりつく定家葛は恋の花       平成2708月(第173回)

八月の白き怠惰の爪を切る       平成2709月(第174回)

色恋の口説きに手振り盆踊り      平成2709月(第174回)

飛びたくて飛べぬ風船葛かな      平成2709月(第174回)

大年や犬の貯金を取り崩す       平成2712月(第177回)

映画館閉ぢし街吹く北颪        平成2712月(第177回)

肩すぼめ自然薯売りの愛想無し     平成2712月(第177回)

(平成28年)

目出度さも酢蛸の紅の淡きほど     平成2801月(第178回)

橙の焦げて湯気噴くどんど焼き     平成2801月(第178回)

正座して雛おろがむは母のくせ     平成2803月(第180回)

抜き紋の印半纏風光る         平成2804月(第181回)

手に囲ふ蛍あえかに匂ひけり      平成2806月(第183回)

六月の波もてあそぶ虚貝        平成2806月(第183回)

桃の種ひしと抱きをり兜虫       平成2807月(第184回)

大阪に住みしころ鱧食へずなり     平成2807月(第184回)

日雇の蝮捕らまへ喜色満つ       平成2809月 (第186回)

帰省子の板につきたる挙手の礼     平成2809月 (第186回)

新蕎麦の香りもろとも啜りけり     平成2810月 (第187回)

しぐるるや石箕鶴嘴猫車        平成2810月 (第187回)

外套の上から抱いて別れけり      平成2812月 (第189回)

日雇ら辛きキムチを頒ち食ぶ      平成2812月 (第189回)

(平成29年)

日雇の指節くれし七日爪        平成29年1月 (第190回)

凩や後生車の音乾く          平成29年1月 (第190回)

豌豆の蔓が虚空をさまよへる      平成29年3月 (第192回)

壺焼きの龍天さざえ噴きこぼる     平成29年4月 (第193回)

居酒屋の女将は手櫛虎が雨       平成29年5月 (第194回)

琴爪の象牙の肌に梅雨湿り       平成29年6月 (第195回)

泡盛や琉歌実らぬ恋を叙す       平成29年7月 (第196回)

焼き鮎の阿形の貌を食ひ千切る     平成29年8月 (第197回)

ふるさとに身の寄る辺なし蝉しぐれ   平成29年8月 (第197回)

 

 

 

 

 

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